【クルーズ  代表取締役社長 小渕宏二氏】ECに経営資源を集中する/ECシフトは04年からの悲願

 ファストファッション通販「SHOPLIST.com by CROOZ(ショップリスト)」を運営するクルーズは昨年10月、主力のゲーム事業の大半を売却し、ネット通販事業に経営資源を集中する方針を発表した。社運を賭けて事業戦略の転換を図った小渕宏二社長は、その思いを04年から温めていたという。ネット通販にシフトした狙いや「ショップリスト」急成長の要因、新規参入する越境EC事業の勝算などを小渕社長に聞いた。


リアルな事業に興味
 ーーー「ショップリスト」に経営資源を集中した経緯は。
 ゲームの事業を取り巻く環境は大きく変わりました。5年前は少額の投資で大きなリターンが返ってくる可能性があるビジネスだったものが、現在は大きな投資が必要となり、大きなリターンが得られる勝率が低くなっています。クリエーターにこだわり抜いて面白いゲームを作ってもらわないと良い作品はできないですが、勝率が低いとこだわらせることができなくなってしまいます。
 クルーズは受託開発から始まり、コンテンツプロバイダーや広告、ブログ、人材と、ありとあらゆるネットに関する事業を手掛けてきました。ただ、04年くらいから最も取り組みたい事業領域は「ネット通販」だったのです。早く通販事業に経営をシフトしたいという思いは以前からありました。
 ーーーネット通販事業に魅力を感じたのはなぜですか。
 ネット通販が良いと思ったのは、なくならない事業だからです。リアルな商売じゃないと、いずれはなくなる可能性があります。ネット通販はリアルに店がなくても実際に物を売り買いするリアルなビジネスです。ネット通販は他のネットビジネスと比べても市場規模の桁が違います。それだけ多くの人が利用するニーズの高いビジネスだということです。その分野で良いサービスが提供できれば世の中のためにもなります。
 04年に小資本で乗り込んでユーザーに満足してもらえるサービスが簡単にできるかというと、そうではないと判断しました。07年ごろにようやく自社でネット通販を開始しました。それまでにネットビジネスで培った技術や、育成してきた人材がいたので、13年ごろから「ショップリスト」を急成長させることができました。
 そしてゲーム事業の環境が変わったことで先行きが不透明になり、どこかで通販に経営資源を集中した方が良いと考えるようになったのです。それでも実際に手を打つまで1年半~2年くらいかかりました。ゲーム事業は100億円近い売り上げがありましたから、なかなか踏ん切りがつきませんでした。それでも4、5年後に自分たちの選択が正しかったと言える自信があったので決断しました。

(続きは、「日本ネット経済新聞」2月2日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ