【ギャラリーレア 太田延彰 代表取締役社長】店舗展開と海外進出が事業拡大の転機に

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 ECと店舗でハイブランド品などのリユース業を手掛けるギャラリーレア(本社大阪府、太田延彰社長)は、戦略的な店舗展開と海外進出で事業拡大を続けている。資産性や希少価値の高いブランド品や骨董品などを中心に販売。ネットは集客に寄与し、店舗は売る人にも買う人にも安心と信頼を与えるための存在として、相乗効果を創出している。海外からの引き合いも増え、世界から注目を集める企業に成長している。太田社長にこれまでの歩みと今後の展望について聞いた。


■高額品に見合う場所に出店

 ーーーECを開始したきっかけを教えてください。

 もともとは先代の父が個人事業主として家具や家電の中古販売をしており、徐々にブランド品の取り扱いも始めました。02年の夏に私が商売を継ぎ、「楽天市場」に出店するために04年に法人化しました。ECを始めたきっかけは、店舗事業だと店の大小が選ばれるポイントになりがちですが、ECは店舗の大小よりその商品の魅力で選ばれ、資本の差がなく戦えると思ったためです。私自身、ウェブデザイナーをしていた経験からHTMLやフォトショップを扱えたことや、一度サラリーマンを辞めて専門学校に通っていたときに原宿系のファッションアイテムを仕入れて「ヤフオク」で販売して生計を立てていました。ECの素地となるノウハウを持っていたことも理由の一つです。

 ーーー法人化して14年目となり、16年2月期の売上高は66億円にまで拡大しました。

 規模が大きくなった源泉はECだと思います。ECと、13年から本格展開し始めた実店舗がうまく相乗効果を生み出しました。以前からもECでさまざまなところから引き合いがありましたが、12年末に安倍政権になり、急に円安になった頃から外国人がECサイトに来訪して購入する数が増えました。当時は大阪にしか店舗がなかったため、外国人からの引き合いに対して商品の供給が追い付きませんでした。外国人はECサイトを見て高い物を欲しがるという傾向にあり、高額品をより仕入れていくため、13年2月に東京・銀座に実店舗を開店しました。

 ーーー銀座店の出店で変化したことは。

 売り上げが1年で20億円から40億円に倍増しました。もともとECでは国内シェアの約半数が東京在住の人による利用だったので、買い取り希望のお客さまも銀座店ができたことで利用しやすくなったと思います。商品調達が充実したこととインバウンド需要の恩恵もあって、ネットを見て店舗に来る外国人や「e―bay」などを見た外国人からの需要も増えました。13~15年はインバウンドブームで外国人からの売り上げシェアが3割となり、海外のお客さま向けのカスタマーサポートの部署も設立しました。インバウンドを一過性のブームにさせないよう、単に日本で待つ姿勢ではなく、15年7月にシンガポールに出店して海外の顧客開拓にも挑戦しています。

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月15日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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