【SBI AXES 三文字正孝社長】ベンチャーの事業支援を積極化/融資サービスも含めた支援体制充実

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 決済事業を主軸にEC支援企業を傘下に持つ、ECのトータルソリューション企業SBI AXES(エスビーアイアクシズ、本社東京都、三文字正孝社長)は、ネット通販企業を中心にベンチャーの事業支援を積極化している。同社は、オンライン・オフライン決済サービスのみならず、決済以外でEC事業者の売り上げ向上や発展に貢献できるソリューションを提供している。EC向け決済サービスの提案に強いゼウスや、サイト内検索など売り上げ向上支援サービスを提供するビジネスサーチテクノロジ、PCI DSSの準拠コンサルなどセキュリティーサービスを提供するブロードバンドセキュリティなどを傘下に持つ。これら子会社が持つノウハウや経営資源を武器に、ベンチャー企業にさまざまなサービスを提供している。三文字正孝社長に、EC向けの事業について聞いた。


 ---SBI AXESがさまざまな企業と提携を進めている理由は。
 最近では、EC支援事業を展開するベンチャー企業「Paidy(ペイディー)」や、不正検知サービスを展開する「かっこ」と提携した。時代の変化と共ともに決済手段は多様化している。決済代行企業間での差別化競争も激化しているため、決済に関連したサービスを提供する企業と手を組んでいくようにしている。
 ---ベンチャー向けの事業の内容は。
 ベンチャー企業は販路開拓と拡大という大きな課題を持っている。こうした課題を解決するために、当社グループが持つ経営資源を生かす取り組みを推進している。
 一方で、ベンチャー企業が持つ技術を当社の加盟店に提供することで、競合他社との差別化を図ることができるとも考えている。例えば、メールアドレスと携帯電話番号を使用してリアルタイムで決済を完了できる「Paidy」を当社の加盟店に紹介することで、コンバージョン率の向上や新規顧客の獲得に貢献している。また、「かっこ」の不正検知サービスを導入することで、商品代金の未回収や第三者による不正な注文、チャージバック被害を未然に防ぎ、加盟店の事業拡大に貢献したいと考えている。
 ---SBI AXESが持つ経営資源としては例えばどんなものがあるのか。
 当社の傘下で私が代表を兼務する、オンライン・オフライン決済サービスなどを提供するゼウス(本社東京都)の顧客基盤は約8000社となっており、そのうち約8割がECの中小企業だ。
 ゼウスはインターネット黎明期から約20年以上にわたりECを中心とした決済サービスを提供し実績とノウハウを積み重ねてきた。その運営実績とSBIグループであるという信頼性から、ウェブからの問い合わせも多く、企業から選んでいただいている。「ホスピタリティのゼウス」というテーマを掲げ、24時間のカスタマーサービスをはじめとするきめ細やかなサポート体制を整えEC企業のニーズにできるだけ応えられるようにしている。
 ---10月には、融資サービスを提供する住信SBIネット銀行との事業をはじめた。
 立ち上げ間もないベンチャー企業は販路の開拓や拡大に加え、資金調達も課題の1つである。住信SBIネット銀行では、当社の加盟店向けに日々の決済データ(トランザクションデータ)などをもとに審査を行う事業性融資「レンディング・ワン」を提供している。
 当社には、子会社のビジネスサーチテクノロジによるコンバージョン率向上や、住信SBIネット銀行が今回新たに発表した事業性融資「レンディング・ワン」をはじめ、EC企業を支援するためのコンテンツが豊富にそろっている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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