【ナノ・ユニバース 経営企画本部Web戦略部 越智将平部長】スマホアプリ核にオムニ施策推進

 ファッションブランドを展開しているナノ・ユニバース(本社東京都、濵田博人社長)は05年にECサイトを開設後、EC売り上げが右肩上がりで上昇。現在は月商5億~6億円の規模に達している。EC化率は38%だという。EC事業の成長の背景には、13年から開始したオムニチャネルがある。スマホアプリを核としたオムニチャネルの最新事例について、経営企画本部Web戦略部の越智将平部長が語った。

 ーーーいつからオムニチャネルを開始しましたか。

 13年秋くらいからです。まずシステムを入れ替えました。在庫を管理している基幹システムと店頭のPOSシステム、物流システムを入れ替え、それぞれのシステムを連携させました。入れ替え前は、全国に店舗が増え、物流センターも拡張したことにより在庫が分散。機会ロスが増えていたのです。
 システムを入れ替え、連携させるとともに物流倉庫も集約しました。物流センターに大量のフォロー在庫を抱えることで、ストックコントロールを強化できました。実店舗に佐川急便を使って在庫を送っていたものを自社配送に切り替えました。倉庫は24時間稼働にし、その日の購買データに基づき、夜中にピッキングを行い、翌朝には商品を実店舗に配送できる体制にしました。無駄な商品配分をなくし、最も売れるチャネルに在庫をきちんと送り込めるようにしたのです。


■全店にタブレットレジ

 ーーー店頭サービスにも変化はありましたか。

 昨年末に店頭のPOSレジをタブレットレジに入れ替えました。タブレットレジは小売業がオムニチャネルに取り組む上で必須だと考え、大変でしたがすべて入れ替えたのです。今はネットでお客さまが欲しい商品を見つけてから来店することが多くなっています。
 店頭にお客さまが欲しい商品の在庫がなかった場合、以前はスタッフが実店舗のストックを探して、システムで他店の在庫を見て、在庫があった店舗に電話をして在庫を確保するといった手間が掛かっていました。店頭で10~15分待っていただき、さらにそこから紙の伝表にご記入いただき、1週間後にお客さまに交通費を出していただき来店してもらわなくてはいけませんでした。タブレットがあれば、店頭で在庫が確認でき、お客さまの自宅までそのまま配送できます。

 ーーーCRM(顧客関係管理)施策で注力した点は。

 オムニチャネルの中でもCRM施策には最も注力しました。13年以前は実店舗とECはシステムを分けていたため、顧客データベースも完全に分かれていました。もちろんポイントも共通化できていませんでした。店頭では受けられる無料サービスがECサイトではほとんど受けられなかった点も課題でした。
 14年に共通のCRMシステムを新たに作りました。会員向けスマホアプリを作り、すべてのサービスをアプリに集約しました。店頭とECのサービスを共通化するため、新たな会員制度を設けました。シルバー会員以上がECサイトで購入したパンツは、無料で丈詰めを行っています。ギフトラッピングも無料で提供しています。
 ポイントも共通化しました。アプリで登録情報を入れれば入れるほどポイント還元率が高まるユニークな仕組みも採用しました。お客さまにとってたくさんの情報を入力するのは負担になりますので、お客さまにもメリットがある形で利用していただいています。
 お客さまがアプリを使って店頭商品のバーコードをスマホで読み込み、お気に入り登録することもできるようにしました。店頭で登録すれば家に帰ってからでもアプリで商品を確認したり、購入したりできます。

(続きは、「日本ネット経済新聞」11月3日号で)

越智将平部長

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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