メンズファッションのECサイト「SILVER BULLET(シルバーバレット)」を運営するピー・ビー・アイ(本社東京都、高木孝社長)はEC業績をV字回復させることに成功した。13年春に「シルバーバレット」を一新し、「コーディネート」などのコンテンツを強化。ユーザー層の幅を広げ、リピートを促進する取り組みが奏功したのだ。まくら(本社千葉県、河元智行社長)が提供する、EC自動化システム「ECデータバンク」が、V字回復を陰で支えたという。EC事業部統括本部長・シルバーバレット店長の仲村和訓氏に話を聞いた。
----EC業績がV字回復したようですね。
05年にECサイトを開設してから、若年層の男性向けにガラケー経由で販売することに注力し、急速に売り上げを伸ばすことができました。しかし、一気に売り上げを拡大した反動もあり、少し低迷する時期がありました。改めてECの戦略を見つめ直し、サイトをリニューアルすることにしました。
新サイトではより幅広い年齢層の方に利用していただけるよう、デザインを変更しました。これまでごちゃごちゃしていたページのデザインを統一し、商品を閲覧しやすくしました。さらに、シチュエーションごとのコーディネートを提案するコンテンツも強化しました。こうした取り組みが顧客に支持され、直近の14年10月の月商は、前年同月比1・4倍に増加しました。
----リニューアルの際に、まくらの「EC自動化システム」を導入したそうですね。
ECの戦略を見直す際に、どこに時間をかけるかを考えました。洋服を売る以上、商品の画像のクオリティーや、洋服を格好良く見せることに時間をかけたいと思いました。実際、専属のカメラマンを雇い、モデルを使ったロケ撮影を増やしたりしました。一方、サイトの更新作業など効率化できるところはシステムに任せようと考えました。そこで、「EC自動化システム」を導入しました。
----具体的にどのように導入したのですか。
「EC自動化システム」を導入することによって、商品名や画像、価格などの商品情報をそれぞれのコンテンツページにアップする作業を、飛躍的に効率化することができました。
当社のサイトは商品の掲載量が多く、毎日のように10品目以上を追加しております。そのため商品情報をアップロードする作業にスタッフの手を取られることが多かったのです。
特にセール時などは、割引商品を全部反映させたいと考え、一度に1000品目以上をアップしていました。この作業に2~3日かかることもありましたが、「EC自動化システム」導入後は、ものの数分で完了できてしまいます。商品情報に管理番号を振っておくことで、商品情報を選択するだけで簡単に特集ページができてしまうのです。
作業の効率化だけでなく、売り上げを拡大するために「EC自動化システム」をどう活用できるのかについても、まくらに相談しました。
----どのように「EC自動化システム」を売り上げ拡大のために活用したのですか。
現在、「シルバーバレット」のトップページの大半は、「EC自動化システム」を活用したコンテンツで構成されています。「ランキング」「ピックアップ」「コーディネート」「新作」「再入荷」、左カラムにある「アイテム紹介」もそうです。設定しておいた条件に当てはまる商品情報を自動的にアップしてくれるので、手間をかけずにユーザーの目を引くアクティブなコンテンツを作成することができます。コンテンツのデザインを当社のサイトのイメージに合わせてカスタマイズできる点も気に入っています。
まくらはツールを提供するだけでなく、当社の要望を聞いて、システム開発から相談に乗ってくれるところにも感謝しています。当社のコーディネート紹介ページは、他のサイトにはないものでした。当社の要望に応じたページ構成やデザインに対応してくれ、オリジナルのコンテンツを作ることができたのです。
----スマホ向けサイトでも「EC自動化システム」は役立っているのですか。
スマホページにおいてもPC同様に「EC自動化システム」を活用しています。楽天店の場合は、楽天の通常ページでは掲載できる情報量がかなり限られてしまうため、楽天が提供している無料のサーバースペース「楽天ゴールド」を活用し、リッチなページを作成しました。そのページに「EC自動化システム」の仕組みを導入し、「ピックアップアイテム」「新作情報」「再販売」「コーディネート」「ランキング」など自動更新型のコンテンツを配置しました。常に動きのある、コンテンツが豊富なスマホページができました。現在は、スマホ経由の売り上げが7割を超える程になっています。
ピー・ビー・アイ/EC事業部統括本部長シルバーバレット店長仲村和訓氏/「効率化」「コンテンツ強化」両立させ、業績V字回復
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