アマゾンは有料会員「Amazonプライム」向けのサービスを強化している。プライム会員は年会費3900円(税込)で、プライム対象商品を配送料無料でお急ぎ便や日時指定便で注文できる。昨年からサービス拡充に拍車をかけ、食品や日用品を必要な分だけ箱に詰めて一度に配送する「Amazonパントリー」や、対象エリアでは注文から1時間以内に商品が届く「プライムナウ」も開始。高い配送メリットを提供している。
また、映画やテレビ番組が見放題の「プライム・ビデオ」、100万曲以上の楽曲が聴き放題の「Prime Music(プライムミュージック)」、写真を保存し放題の「プライム・フォト」、毎月電子書籍1冊が無料で読める「Kindle(キンドル)オーナーライブラリー」など、ショッピング以外にもサービスを広げている。
プライム会員の数は非公表としているが、会員数は前年比1.5倍で推移しているという。
送料、スピード、日時指定のメリットがひと目で分かる「プライムマーク」が付いているプライム対象商品は転換率が高いという。
これまではアマゾン直販か、アマゾンの物流代行サービス「フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)」を利用している商品しかプライム対象商品として販売できなかったが、10月30日からマーケットプレイスに出品している販売事業者の独自の配送の仕組みでもプライム対象商品として販売できるようになった。
「マケプレプライム」と呼び、過去30日間のお急ぎ便の注文で、期日内配送率が96%以上、注文した商品の追跡可能率(有効な問い合わせ伝票番号の入力率)が94%以上、出荷前のキャンセル率が1%未満という条件を満たすことが必要となる。
マケプレプライム対象商品に対する問い合わせは、年中無休でアマゾンのカスタマーセンターが受ける。配送状況の問い合わせが最も多いため、大半の問い合わせに即答できるものとみている。
配送メリットが感じやすいプライム商品として販売したいという販売事業者の声に応えた。全世界のアマゾンで約2億商品が取り扱われているが、販売事業者からの出品商品は年々増えているという。
FBAで取り扱える商材は拡大しているものの、冷凍品のようにまだ対応できていない商材もある。販売事業者が確立した独自の配送の仕組みでプライム対象商品が一気に拡大すると期待する。
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