楽天は今年1月から、「楽天市場」のスマートフォン(スマホ)アプリ、楽天カード、楽天モバイルを利用して買い物をするとポイントが常時最大7倍になる「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」を開始し、新規ユーザーの獲得と休眠ユーザーの掘り起こしに奏功している。SPUのポイント原資を楽天が負担する形で運用している。
このほか、今年から、ファッション、ホーム&ライフ(日用品など)、フード、リテールの4つに商品ジャンルを分け、それぞれの販売戦略を強化する「ジャンル戦略」を推し進めている。
フードジャンルでは今秋、数ある食品の中から高品質商品を認定する「楽天グルメセレクション」を開始。生産量ではなく質の高さで商品を押し出せる仕組みを構築した。
「楽天市場」では、ショップ・オブ・ザ・イヤーや売れ筋ランキングで上位を獲得した店舗がページにロゴを貼り付けている様子をよく見かける。ロゴはユーザーが商品を選択する際の後押しとなり、転換率にも好影響を与えるという。
「楽天グルメセレクション」で選ばれた商品も認定ロゴが与えられ、高品質の食品がより「楽天市場」内で訴求しやすくしていく。
配送サービスや商品価格の競争力が特に求められる日用品・生活用品を強化するため、12月に爽快ドラッグを子会社化する。3月に楽天が完全子会社化したケンコーコムと爽快ドラッグが連携し、物流インフラの効率化と商品の販売拡充を図っていく。
また、来年4月には、出店者向けの新決済プラットフォーム「楽天ペイ(楽天市場店舗向けペイメントサービス)」を始動する。
「楽天市場」の取引のうち約8割をクレジットカード決済が占めるが、利用したい決済手段がない場合に決済画面で離脱するユーザーも少なからずいたという。ユーザーニーズに応え、全店舗で統一して使える決済手段を拡大する。その分、出店者側の決済関連業務に係る作業負担を楽天が代行していく。決済手段が増えても、店舗向けペイメントサービスにより締め日と入金日が統一される。
楽天は、出店者が安心して販売できる場の構築への投資を惜しまない姿勢だ。不正注文検知機能においては、決済が完了する前の注文中に不正を検知するレベルに達している。
来春からはチャージバック補償も拡充していき、出店者が国内外のユーザーに向けてより安心・安全に販売できる環境を提供していく。
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