【EC支援サービスマップシリーズ 「物流」】イー・ロジット/特殊な作業に対応/サプリ調合やタイヤセットも

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 ECの物流支援を手掛けるイー・ロジット(本社東京都、角井亮一社長、(電)03―5825―1720)が業容を拡大している。業務を受託している通販・EC事業者は300社近くに達しており、14年秋に開設した埼玉・八潮の物流センターは万床に近づきつつある。個人別にサプリメントの種類を調合したり、車のタイヤとアルミホィールをセットにして発送したりするなど、ECのクライアントから寄せられる特殊な作業に対応。その実績による紹介案件が増えているためだ。
 「お客さまである通販・EC事業者ごとに特殊な作業がある。それに柔軟に対応できていることが強みの一つ」と語るのは、通販物流事業部営業部・土橋恵司課長。
 東京・松江にある東京フルフィルメントセンター(FC)では、ユーザーの遺伝子検査の結果に応じてサプリメントの種類を詰め替える作業に対応している。このほか、カー用品を販売するEC事業の業務では、タイヤにアルミホィールをはめ込んで、セットにして出荷している。
 こうしたニッチな作業に対応できているのは、パートやアルバイトといった作業員が固定・定着化してスキルをアップしていることが「作業品質の向上と維持につながっている」(土橋課長)とみている。
 八潮の埼玉FCは来春にも万床となる見通しで、新しい倉庫の選定に着手し始めた。ただし新拠点を選ぶ上で条件としているのが、できるだけ住宅街に確保したいということだ。湾岸地区やインターチェンジ付近、競合が乱立するエリアをあえて避けている。
 理由は「人が採用しやすく、当社の方針に賛同してくれるスタッフを集めたい」(同)ためだ。確かに、アクセスや物流網を考慮すれば、インターチェンジの付近や湾岸地区といったエリアは物流拠点の候補となり得るかもしれない。
 しかし、人材不足が懸念されている物流業界において、やみくもに応募してきた人員を採用することは、物流の品質やサービスレベルの低下につながる恐れがある。
 高いサービスレベルを維持するには、「定員の3~4倍の応募があり、当社がやりたいポリシーを理解して賛同してくれる人を雇えるかにかかっている」(同)と指摘する。
 そのことが結果的に、クライアントが要望する作業内容に対応。業務受託数の増加につながるとみている。
 今夏には、化粧品の通販事業を展開するシュープリーム(本社東京都、氏家優社長)、カートシステムを提供するクラフトクロフト(本社東京都、岩田範博社長)と連携して、EC事業を支援する仕組みを本格的に構築した。
 サービスの名称は「よろしく玉手箱」で、ECのコンサルティングや商品開発、フルフィルメントなどを総合的に支援する。化粧品やサプリメントのECを手掛ける事業者をメーンに、EC支援業務にとどまらず、データの分析などを駆使しながらリピート顧客を育成する。
 毎月1回、定期的にセミナーを開催してサービス内容を案内している。「反響はまずまずで、ようやく軌道に乗り始めた。今後は力を入れて取り組んでいく」(同)としている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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