大手モール3社決算/EC流通総額は軒並み増加/楽天海外販売が順調/ヤフー出店31万店に/DeNA食品類が堅調

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来場者でにぎわう「楽フェス」の人気グルメ店の販売コーナー

来場者でにぎわう「楽フェス」の人気グルメ店の販売コーナー

大手モール3社の中間期決算と第1四半期決算がまとまった。3社ともEC流通総額は前年同期を上回った。「楽天市場」では、海外の消費者向け流通総額が15年4―6月期(純第2四半期)に前年同期比55%増となり成長が際立った。「ヤフーショッピング」は15年6月末時点の出店者数が前年同月実績の約2・4倍となる31万店となり、商品数は1億7000品に達し、購買率も向上しているようだ。

O2O戦略強化
 楽天の15年1―6月期(中間期)における国内EC流通総額(ネットスーパー、パッケージメディアなどを含む)は、前年同期比7・4%増の1兆420億円だった。
 「楽天市場」単体の流通総額は非公表だが、四半期中に1回以上買い物をしているユニーク購入者数は、純第1四半期、純第2四半期とも前期を上回ったとしている。「楽天市場」の流通総額におけるモバイル比率は48・5%に達した。
 三木谷浩史社長は今期、海外販売への進出を出店者に促しており、中間期の海外EC流通総額の伸び率はその効果の表れともいえる。特に中国からの需要が高く、純第2四半期における「楽天市場」の中国の消費者向け流通総額は前年同期比66・8%増で推移している。
 楽天は昨年10月に「楽天スーパーポイント」が実店舗でも使える「Rポイントカード」を発行し、O2O戦略を強化している。
 その一環として「楽天市場」では、8月1日から5日間、出店者がリアルの場で商品を販売できるイベント「楽フェス」を東京ビッグサイトで開催した。出店者はブース出展やワークショップなどで商品をPRした。
 出展した店舗からは「実際に商品を食べたり試したりしてもらうことで価値を実感してもらえるいい機会になった」「直接ユーザーと話すことでニーズを深く知ることができた」などの声が挙がった。
 来場者数は公表していないが、「想定の2倍ほどだった。予算は若干の持ち出しになったものの、プロモーション効果はあったと思う。継続的な開催を検討する」(山田善久副社長)と話し、リアルイベントに積極的に取り組む考えを示した。

(続きは日本ネット経済新聞 8月20日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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