楽天×ヤマトHDが連携強化/コンビニ受取が可能に/ 楽天新規出店者に弾み/ヤマト中小ECを開拓

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左から楽天・髙橋理人常務執行役員、楽天・三木谷浩史社長、ヤマトHD・山内雅喜社長、ヤマト運輸・小管泰治執行役員

左から楽天・髙橋理人常務執行役員、楽天・三木谷浩史社長、ヤマトHD・山内雅喜社長、ヤマト運輸・小管泰治執行役員

 楽天とヤマトホールディングス(HD)は7月6日、「楽天市場」の商品が全国約2万店舗のコンビニエンスストアや約4000拠点のヤマト運輸の営業所で受け取れるサービスを開始していくと発表した。新規出店者の拡大に弾みをつけたい楽天と、中小EC事業者の利用拡大を目指すヤマトHDの狙いが合致。「楽天市場」の新規出店者がヤマトHDの提供する受注・配送・決済のパッケージを導入した場合、出店料の20%をキャッシュバックする優遇策も提供する。中小EC事業者の支援で国内EC市場をさらに発展させていく。
営業所でクール便の受取も楽天とヤマトHDは同日に共同会見を行った。楽天・三木谷浩史社長とヤマトHD・山内雅喜社長は、ユーザーメリットの拡大と中小EC事業者の利便性を向上させることで、国内EC市場のさらなる発展を狙うと強調した。
 ヤマト運輸で配送する「楽天市場」の商品は今年夏から順次、ヤマトHDが提携しているファミリーマート、サークルKサンクスなど、全国約2万店舗のコンビニエンスストアでの受け取り指定ができるようになる。
 さらに、ヤマトHDは16年3月期中に、全国4000拠点のヤマト運輸営業所で「楽天市場」のクール便商品を含めた荷物の受け取りができるようにしていく。
 「留め置きが難しいクール便にも対応するので、新規出店効果も見込めると思う」(三木谷社長)と話した。
 コンビニやヤマト運輸の営業所を受取場所に指定した場合、荷物が到着すると店舗からメールで顧客に通知する仕組み。荷物の保管期間は原則としてコンビニが3日以内、ヤマト運輸の営業所が7日以内とする。
 楽天はこれまで、駅などで荷物が受け取れるロッカー「楽天BOX」や、日本郵便と共同で郵便局に受け取りロッカー「はこぽす」などを設置してきた。コンビニ受け取りは初めてとなる。
 「国内EC市場はまだまだ成長できると思うが、多様な配達方法、受け取り方法を実現していく必要がある。楽天BOXなどロッカーの利用回転率は高い。コンビニ受け取りにも期待している」(同)と話している。
 商品の受け取り可能な場所がコンビニや営業所などに拡大することで、再配達率の削減にもつながるとみている。
 ヤマトHDによると、現在の宅配便の不在配達率は約20%。通販利用の荷物か、CCの荷物か、内訳は不明だが「ECで購入した商品の率は少なくないと考える」(山内社長)と話している。

(続きは日本ネット経済新聞 7月9日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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