本紙がまとめたインターネット通販売上高ランキング(2014年度調査)によると、505社の合計売り上げは3兆2861億円となった。上位100社の売り上げを前回調査(14年6月実施)と比べると、3346億円増加した。前年との増減率が判明している事業者217社のうち169社が増収した。増収が目立つ企業は、マルチチャネル戦略、出店先の拡大、海外向け販売などを強化している。この傾向は大手だけでなく中小EC事業者にも多数みられた。
大手EC社数が増加
調査の対象期間は14年4月―15年3月の間に迎えた決算の実績値。大手EC企業、通販会社のネット部門、モール出店事業者、個人事業主などに「ネット通販売上高」の調査を行った(モール事業者は省いている)。
ランキングに収録した事業者数は505社。このうち、売り上げが100億円を超えた企業数は64社となり、前年調査よりも10社増えた。
実店舗との連動強化
1位は8年連続でアマゾン(日本事業の本紙推定売り上げ)となった。前期はコンビニなど提携先を拡大したことにより、商品の受取場所数が増加。大手小売店のPBブランドの取り扱いを始めて、商品数も拡大している。
増減率は、大手総合通販が前年に比べ横ばいか減収となる傾向が目立った中、家具やアパレル企業に高い増収率が多くみられた。
14年4月期が前期比26・8%増となったタンスのゲン(本社福岡県)はアイドルグループ「HKT48」を起用したテレビCMを放送。検索数はCM放送前に比べ10倍以上に跳ね上がったという。
増収した企業の中には、ネットだけの施策に頼らず、テレビや実店舗と連携した取り組みで売り上げ拡大につなげている。
三陽商会は14年12月期に同11・2%増の31億7000万円の増収を達成。EC用の在庫が欠品した際に実店舗からの「お取り寄せ購入」ができるようにしたことで、機会損失を減少させた。
15年2月期に売上高が同20・0%増の4億3000万円になった東京シャツ(本社東京都)はO2Oシステムを導入。
実店舗とポイントキャンペーンを連動させ、顧客の囲い込みを強化している。
(続きは「日本ネット経済新聞」6月11日号で)
【ネット通販売上高調査】 増収企業目立つ/505社合計は3兆2800億円
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