ディーケイシー/「家電専門店 まいど」全店閉鎖/ヤフーでポイント不正取得の疑い

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家電ECサイト「家電専門店 まいど」を運営するディーケイシー(本社東京都、福本繁夫社長)は3月6日、楽天やヤフーなどで運営していた全店を閉鎖した。同社はヤフーの「ポイント増額キャンペーン」時に架空注文を繰り返す手口でポイントを不正取得していた疑いが持たれており、そのことが閉鎖の要因となったとみられる。ヤフーでは「警視庁に被害を相談しているところだ」(広報部)と話している。
 ディーケイシーは複数のIDを用いて、キャンペーン中に同社サイトで商品を注文していた疑いが持たれている。取得したポイントは、同社サイトでの注文に再び用いられたり、他社のサイトでの商品購入に回されていたという。ヤフーは被害について調査を進めており、「詐欺容疑での告訴も検討している」(同)と話す。
 ポイントは通常、出店者が負担するが、「ポイント増額キャンペーン」期間中はヤフーが増額分を負担している。ヤフーによると12年ごろから、キャンペーン中にポイントの不正取得を狙った注文が相次ぐようになったという。同3月には一つのIDが1回のキャンペーンで獲得できる増額分ポイントの上限を1万に制限していた。
 ヤフーは13年10月に出店料・販売手数料を無料化した。このことが、ディーケイシーの不正行為を助長させた可能性もある。同社は販売時に手数料がかからないため、より効率的に不正な利益が上げられると考えた可能性がある。ヤフーに出店するA社は、「ディーケイシーは、ヤフーの無料化で店舗数が急増したため、監視の目が行き届かないと思ったのかもしれない」と話す。
 ディーケイシーの14年3月期のEC売上高は前期比10%増の110億円だったという。ヤフーが14年2月に発表した「ヤフー年間ベストストア2013」では、総合2位を受賞するなど、家電ECの有力店舗として注目を集めていた。
 ディーケイシーは、ヤフー以外にも楽天、アマゾンに出店していた。ヤフー同様、ポイント増額キャンペーンを実施している楽天では、「(ディーケイシーの)ポイント不正取得は確認できていない」(PR推進部)と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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