健康コーポレーション /夢展望を子会社化/売上目標3000億円に向け成長加速

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 健康コーポレーション(健康コーポ)は2月12日、アパレルECの夢展望を子会社化すると発表した。全体売り上げの85%以上がスマートフォン(スマホ)経由という夢展望の販売ノウハウを吸収するのが狙いだ。健康コーポが同日発表した中期経営計画では、21年3月期までに今期(15年3月期)予想値の約8倍に相当する売上高3000億円を目指すという。スマホのノウハウを活用することにより、グループ全体の成長を加速させたい考えだ。

健康コーポが買収打診

 健康コーポは、夢展望が3月31日に予定している第三者割当増資を引き受け、同社を子会社化する。健康コーポは増資後、夢展望の株式の73・5%を保有することになる。株式の取得価額は7億4880万円だという。
 今回の買収については健康コーポから夢展望に打診したという。14年9月から両社で協議を進め、同10月には健康コーポが資本業務提携に関心がある旨の意向表明書を夢展望に提出していた。
 夢展望は若年層の女性をターゲットに、モバイル向けのEC事業で成長してきた。13年7月には東証マザーズに上場するなど、順調に事業拡大を進めているかのように見えた。
 ただ、ターゲットとしていた若い女性向けのアパレル市場はトレンドの変化が早く、上場後、主力取扱ブランドの売り上げは低迷していった。同社は、取り扱いブランドを増やし、ターゲットの幅を広げる戦略に打って出たが、主力ブランドの低迷をカバーできる程ではなかった。
 販売不振により過剰在庫を抱え、セール販売を増やした。円安による仕入れ原価の高騰も収益を圧迫。14年9月期決算では、当期純利益が9億800万円の赤字に転落していた。


スマホノウハウに関心

 健康コーポが関心を抱いたのは、夢展望のスマホの販売ノウハウだった。夢展望は売り上げの85%以上をスマホ経由で上げている。健康コーポはECからリアルのフィットネスジムまで、幅広く事業を展開しており、そのいずれにおいてもスマホのノウハウは生かせると考えた。
 健康コーポ本体が運営する健康食品や美顔器のECサイトにおいて、夢展望のノウハウを生かし、スマホ対策を強化する。グループ会社である、マタニティーウェア販売のエンジェリーベ(本社東京都、岩本眞二社長)や、雑貨販売のイデアインターナショナル(本社東京都、森正人社長)などが運営するECサイトも同様だ。
 パーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」を展開するRIZAP(本社東京都、瀬戸健社長)においては、夢展望のノウハウを用いて、スマホ経由でのジムの集客数を1年以内に2倍以上に増やす計画だ。
 さらに、夢展望には中国・台湾向けのECサイトを運営してきた実績がある。「RIZAP」はすでにアジアにも進出しており、夢展望のノウハウを海外店舗のネット集客拡大に生かしたいという。

(続きは本紙2月19日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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