本紙が実施した、スマートフォン(スマホ)など携帯端末経由のEC売上高調査によると、上位100社の合計売上高は5385億1500万円で、前回調査(13年9月、100社集計)より1708億円の大幅な増加となった。大手の企業がスマホ経由の売り上げ比率を高めている。EC全体に占めるスマホ比率は大手で5割に近づく企業が目立っているほか、アパレルでは8割に達する企業も見られた。(2~3面にランキング表と注目企業)
1位は前回と同様、アマゾン(日本事業)だった。アマゾンは14年6月時点で、国内の月間ユニークビジター数はPCが約2088万人、モバイルが約2522万人となっている。
14年はスマホサイトやアプリのトップページを刷新。このほか、アマゾンの商品リンクを含むツイッターのツイートに専用のハッシュタグを付けて返信すると商品をカートに入れられる「Amazonソーシャルカート」も開始。PCとスマホ双方の利便性向上を図っている。
5位のディーエイチシーは、ガラケーを含むモバイルEC売上高は前年同期より微減となったが、スマホ・タブレット経由の売上高は同47・4%増の77億6200万円に拡大している。
楽天の14年11月時点の発表では、「楽天市場」の流通総額のうち、モバイル比率は43%となっている。今回の調査ではモールに出店する若年層向けアパレル販売店舗で特にモバイルEC売り上げの伸長が目立った。
アパレルEC事業者の中には、EC売り上げ全体に占めるモバイルの割合が5割を超えているケースも珍しくない。特に、若年層女性のファッション通販では8割を超えるという回答も目立った。そのほかの商材もモバイル比率が2~3割という声が多かった。
EC市場全体のスマホ比率は今後も拡大が見込まれている。売り上げ拡大に向けた取り組みが続いている。
【モバイル通販売上高調査】合計売上は5385億円/アパレル中心にスマホが拡大
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