アマゾンジャパン/6月末から遅配急増/チャン社長は「遅延は解消」

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 6月末から、「アマゾンで購入した商品が時間通りに届かない」といったトラブルが急増している。本紙が取材したところ、アマゾンジャパンが配送を委託する、地域限定の中小配送事業者「デリバリープロバイダ(DP)」の配送に、何らかの問題が生じたらしいことが分かった。7月10日に都内で開かれた会見でアマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は、「遅延はすでに解消した」と明言した。
 6月末から、ツイッターやフェイスブックなどのSNSで、アマゾンの配送について「商品が届かない」「配達するドライバーと連絡が取れない」などといった投稿が数多く見られるようになった。
 本紙は、SNS上で「遅配があった」旨を投稿していた6人に対して、SNS上で取材。取材した6件の遅配については、(1)DPである、丸和運輸機関もしくはTMGに配送が委託された案件だった(2)東京都内でのトラブルだった─という共通点が浮かんだ。
 アマゾンジャパンは6月上旬から、東京23区などの都市部の配送について、DPへの委託量を増やしていた。
 アマゾンの当日配送から撤退する方針を固めているヤマト運輸では、「総量規制は下期から実施する予定。現在はアマゾンからの受託量を絞っているという認識はない」(交渉戦略部)としている。
 今回の遅配は、ヤマト運輸の当日配送からの撤退に向け、アマゾンジャパンがテスト的な意味を含めて、DPへの配送委託を急増させた結果、生じたひずみともいえそうだ。
 7月10日に開かれた、プライム会員向けのセールイベント「Amazonプライムデー」の開催イベントに登場したチャン社長は、今回の遅配の発生やプライムデーでの配送量の増加について言及。「遅延の問題は実際に発生したがすでに解消した。今後は配送事業者と調整してく。プライムデーについては、数カ月前から準備を進めてきており、問題はない」と話した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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