進むバーチャル試着/CVR向上に一定効果

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JINSのバーチャル試着サービス

JINSのバーチャル試着サービス

 バーチャル試着サービスの活用が広がっている。眼鏡をECで販売するジェイアイエヌは人工知能(AI)を搭載したレコメンド機能付きのバーチャル試着サービスを近く開始する。マガシークは13年から、過去に購入したアイテムと購入を検討している商品のサイズ感に違いはないか確認できる「バーチャサイズ」を導入。三越伊勢丹は今夏、フリックフィット(本社東京都、廣橋博仁CEO)が提供する靴のバーチャル試着サービスを実店舗で試験導入した。導入済みの企業ではCVRの向上に一定の効果が出ているという。

■AIによるレコメンド機能
 眼鏡ブランド「JINS(ジンズ)」を運営するジェイアイエヌは11月11日から、AIによる機械学習を取り入れた自社開発のレコメンドサービス「JINS BRAIN(ジンズ・ブレイン)」の提供を開始する。
 対象商品のバーチャル試着ができることに加え、AIが「マッチ度」をパーセンテージで表す。まず、同社のスタッフ約3000人が合計6万枚の画像データを「似合う」「似合わない」で評価。これを基にオリジナルのAIを開発した。
 パソコンのカメラや自分で撮った写真を使ってECサイトで利用できるほか、店舗でフレームを試着した際の画像データを使用することも可能だ。
 ユーザーが自分だけのAIを作成することもできる。画面上に表示される複数枚の人物の顔画像を評価することで学習する。このオリジナルAIはネット上でシェアも可能で、「友人や家族のAIでマッチ度を比べることもできる。ユーザーが楽しめるサービスにしている」(デジタルコミュニケーション室・向殿文雄マネジャー)としている。まずは180型でマッチ度が測れ、今後は対象アイテムを拡大していく。
 同社は今年3月から、メガネの3Dバーチャル試着サービス「JINS VIRTUAL―FIT(ジンズ バーチャル フィット)」を提供している。専用アプリで撮影した顔の動画をECサイトと連携することで仮想試着できる仕組み。導入してから「CVRの向上には一定の効果が出た」(同)としている。
 より多くのユーザーに利用してもらうため、「ジンズ・ブレイン」は登録不要にし、誰でもECサイトから利用できるようにした。「より正確な試着がしたい場合は、横顔も見られる『バーチャル フィット』が使える。用途に応じて使い分けてもらいたい」(同)としている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」11月10日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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