第4回ネット広告満足度調査/リスティング利用減、多様化進む

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 本紙はこのほど、EC事業者を対象に、第4回ネット広告満足度調査を実施した。前回調査(15年8月に実施)では、CPO(1人当たりの顧客獲得単価)が改善傾向にあると指摘する声が35.3%と多かったが、今回調査では「変わらない」との回答が43.8%と最も多く、17年も「変わらない」とみる向きが多かった。広告の利用率に関する調査では、これまでトップだった配信形式の「リスティング広告」の利用率が下がっていることもわかった。一方で、利用率が徐々に伸びている広告手法もあり、EC事業者の広告手法の多様化はますます進んでいると言えそうだ。



 本紙が9月6日から12日にかけて実施した「第4回ネット広告満足度調査」に大手を含むEC事業者27社が回答した。
 ネット広告予算を「前年より減少した」と答えた企業は前回調査比17.6ポイント増の23.5%となった。「前年に広告効果が得られなかった」(下出生花店)「経費削減」(化粧品EC企業A社)といった声が多かった。
 広告予算が「増加した」という企業からは、「競合が増え、広告の入札単価が上がっている」(ランドマーク)との声も上がっており、競争激化を感じる企業も少なくないようだ。
 一方で、「成果報酬型を活用することにより、低いリスクで出稿を行えているため予算を増加させた」(健康食品通販C社)といった回答もあった。効率的な広告運用パターンを発見した結果、さらに広告出稿を加速させることができた企業もあったようだ。
 ネット広告手法の実態調査では、表示形式についてはバナー(ディスプレイ)広告の利用率が70.6%と最も高かった。利用率が2番目に高かったのは、ウェブメディア内のコンテンツの中に馴染むように表示させるネイティブ広告(64.8%)だった。満足度については、2.9ポイントと、表示形式の中で最も高かった。
 配信形式では、リスティング広告が利用率・満足度ともに最も高い結果となった。利用率は76.5%に上り、満足度は配信形式別では3.0ポイントを獲得した。
 ただ、リスティング広告の利用率は前回調査から5.9ポイントのマイナスとなった。過去3回の調査との比較では、3回連続で減少していることも分かった。アパレル販売のB社は「競合が増え、入札単価が上がっていることが要因のひとつではないか」と分析する。


(続きは、「日本ネット経済新聞」9月15日・22日 合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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