羽毛産地偽装問題/EC会社は楽観視も/産地偽装で不透明感拭えず

高橋ふとん店はユーザーに羽毛布団の基準を告知している

 羽毛布団で使われる羽毛の産地偽装問題が報道されてから約4カ月間が経過した。報道当初は羽毛布団販売の閑散期だったため、EC事業者に目立った影響はみられなかった。ただ、羽毛布団商戦は10月ごろから本格化する。寝具EC各社は失った商品への信頼を回復するため、仕入れの透明性をアピールする取り組みなどを行っている。しかし、消費者が羽毛布団を買い控える可能性は否定できない。今秋冬商戦について、EC各社は前年度並みの売り上げを予測するなど楽観視している。だが、産地偽装の影響は不透明感が拭えない状況となりそうだ。


■偽装商品が大量流通

 羽毛産地偽装問題は朝日新聞が5月、「フランス産とされている羽毛に、中国産の羽毛が混入した商品が大量に流通している疑いがある」と報道したことで明るみに出た。
 具体的な事実が発覚したわけではないが、羽毛布団メーカーなどで構成される日本羽毛製品協同組合(日羽協、事務局東京都、柳場弘会長)が調査したところ、欧米産羽毛の輸入量よりも国内で流通している欧米産羽毛布団の量が上回っていたという。産地を偽装した羽毛布団が、ECサイトや量販店で大量に販売されていた疑いが浮上した。
 報道が目立った5月は新生活シーズンが終わり、羽毛布団などの寝具が一年で最も売れない時期だった。そのため、羽毛布団を販売するEC事業者に大きな影響はなかった。


■売上げは横ばいを予想
 
 羽毛布団の販売は気温が下がる10月ごろから動きが活発になる。例年8月には需要予測を固め、各社が商品の確保に乗り出す。羽毛布団を販売するEC事業者からは、今年の羽毛布団商戦について「例年通り」と予測する声が挙がっている。
 家具や寝具のECサイト「激安輸入雑貨店」を運営するネオテックジャパン(本社埼玉県、江城真由美社長)は、羽毛産地偽装問題が販売計画に悪影響を及ぼすことはないと見ている。販売計画は昨年度と横ばいになる見込みだ。
 羽毛布団の売り上げが前年度並みだと予測している事業者は、(1)報道直後は消費者から羽毛産地に関する問い合わせがあったが、6月以降は問い合わせが少なくなった(2)今夏の羽毛布団の売れ行きが前年度とほぼ同水準で推移した(3)羽毛布団のかわりとなる商品が少ないーーーという点を根拠に挙げている。
 一方、民放キー局の関連通販会社などからは、羽毛偽装問題が明るみになってから初めての商戦を迎えるため、市場動向を見極められないといった声もある。問題の影響が不透明なため、秋冬商戦で主力商品となる羽毛布団の売れ行きを懸念しているという。


(続きは、「日本ネット経済新聞」9月1日号で)

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