ネットビジネス事業者などが加盟する新経済連盟(新経連、事務局東京都、三木谷浩史代表理事)は7月1日に開催した、政府の「小型無人機の更なる安全確保のための制度設計に関する分科会」で、ドローンによる配送サービスの高度化に向けた新経連としての意見をプレゼンテーションした。千葉県のゴルフ場で商業用のドローン「そら楽」の運用を1カ月間テスト的に行った楽天の事例を用いて、安全性を訴求。「空の産業革命」の実現に向けたドローン運用について提言した。
「そら楽」はゴルフ場のコース内でスマートフォンアプリを用いて水やゴルフボールなどを注文すると、自動制御システムで動くドローンがコース中の着陸ポイントに商品が届けるサービス。雨天を除き、1カ月間、1日6時間半運用して一度も事故はなかった。
「そら楽」の運用には目視外の飛行と、人や物件から30メートル以上の距離が確保できない飛行について国土交通省から承認を受けていた。しかし、新経連はプレゼンで、国交省の許可や承認なしでも飛行できる条件内容では、商業的な配送サービスの実現は困難と訴えた。
また、国交省の許可や承認を得て行える飛行についても、(1)人の手で操作しない自立飛行型ドローンサービスの場合、厳格な操縦資格は不要とすべき(2)第三者の上空を飛行できなければ都市部での配送を実現することは困難なため、安全対策を講じることを前提として第三者上空の飛行実績を積み重ねるよう対応してほしいーーとした。
新経済連盟/ドローン配送で意見を提言/楽天のテスト運用を事例に
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