国民生活センターは6月16日、「初回のお試し価格で商品を購入したが、実は定期購入の契約が必須だった」といった内容の相談が急増していると発表した。国センは、景品表示法や消費者契約法に抵触する可能性もあるとして、事業者に注意喚起を促した。
国センによると、通販の定期購入に関する15年度(15年4月~16年3月)の相談件数は前年度比約3倍の5620件。相談件数は11年度以降、最多となった。16年度は5月末までに1586件の相談が寄せられており、前年度を上回るペースとなっている(表参照)。
15年度の相談件数を商品別でみると、健康食品が72.7%、化粧品が21.6%、飲料が5.7%。健食と化粧品を中心に、相談件数が増えている。
相談事例では、「『初回お試し価格500円』というネット広告を見て注文した。商品と同封されていた請求書に『2回目以降は1箱4000円。5回以上継続しないと解約できない』と書かれていた。サイトを確認すると、画面の下に小さい文字で注意書きがあった」といった内容があった。
国センは、契約内容が分かりにくい広告を掲載する事業者の増加が相談件数拡大の原因だとみている。国センが把握しているだけでも、100社以上の事業者が内容の分かりにくい広告を掲載している。
国民生活センター/定期購入の相談急増/15年、前年比3倍の5620件
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