消費者庁/食品ECの情報提供の懇談会/事業者側「慎重な討議を希望」

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 消費者庁は5月24日に「食品のインターネット販売における情報提供の在り方懇談会」を開催、事業者側の委員6人からヒアリングを行った。
 武石徹委員(一般社団法人食品産業センター)は、「インターネット販売における提供情報が細かく決められてしまうと、メーカーの情報提供の自由度が下がり、製品特性に合った表示ができない。慎重に討議してほしい」という大手企業の声を紹介した。
 楽天の片岡康子委員(一般社団法人新経済連盟事務局)は、ネット上で食品情報を提供する際の難しさについて指摘した。リアル店舗では、先入れ先出しを徹底すれば基本的に出した順番で購入される。賞味期限の異なる商品があっても、消費者が任意で購入できる。一方、ネット上では賞味期限の異なる複数の在庫品を複数の消費者が購入していく。複数の消費者がほぼ同時に注文した場合、ネット上の食品情報と実際の食品がずれてしまう可能性があるという。ネット上で表示できる単一の商品ページにおいて、消費者がどの賞味期限の商品になるか予測して出し分けることは、今の技術では不可能であると語った。
 岸克樹委員(日本チェーンストア協会)は、ネットスーパーに関する消費者の声を紹介。「サービスに関する要望がほとんど」と述べ、食品表示の情報不足を指摘する消費者の声は少ないと説明した。
 同懇談会は、消費者庁が実施する消費者・事業者アンケート調査の結果と、これまでに行った関係者からのヒアリングの結果を踏まえて、次回会合から議論を本格化させる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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