中国政府/越境ECの税率を変更

 中国の財政部は3月24日、国内の消費者がネット通販で海外の商品を購入する際の税率を変更すると発表した。越境ECに適用している「行郵税(ぎょうゆうぜい)」を4月8日付で廃止し、同日から新たな税率を適用する。税制改正に伴い少額の買い物に対する免税措置が廃止されるため、中国の消費者にとって実質的な増税となる場合も多い。中国への越境ECを行う日本企業は、新たな税制を踏まえた事業戦略の構築が必要となる。


【「行郵税」を廃止】 

 中国政府は個人による越境ECに「行郵税」を適用してきた。「行郵税」の税率は商品カテゴリーに応じて購入金額の10~50%。4月8日に「行郵税」を廃止し、中国の国内消費に課される「増値税」や「消費税」を越境ECにも適用する。
 「増値税」は商品の購入金額に応じて徴収する租税。日本の消費税に近い。「増値税」の基本税率は17%だが、越境ECの場合は当面11・9%とした。
 「消費税」は酒類や化粧品、貴金属など一部の嗜好品やぜいたく品に対する租税だ。商品カテゴリーに応じて3~45%に設定されている。
 越境ECに課される「消費税」は当面、本来の税率と比べて30%の減額となる。例えば、化粧品の消費税率は30%だが越境ECでは21%。
 個人による越境ECは、購入金額が2000元(1元17円で約3万4000円)以下が対象だ。購入金額が2001元以上の場合、一般の輸入品と同じ扱いになる。
 個人輸入として認められる金額の上限は、今回の税制改正に伴い従来の1000元から2000元に引き上げられる。

【少額の買い物は増税】

 「行郵税」の徴収額が50元以下の場合、行郵税は免税となる。例えば、行郵税率が10%の健康食品の場合、販売金額が500元(同約8500円)以下であれば、徴収額は50元以下なので免税だ。
 4月8日以降は「行郵税」が廃止されるため、少額の買い物に対する免税措置もなくなる。免税の範囲内で海外製品を購入していた中国の消費者にとっては実質的な増税だ。
 中国への越境ECを行っている企業の中には、受注した商品を小分けにし、荷物1個当たりの販売額を免税の金額内に収めることで徴税を免れているケースもあったとされる。「行郵税」が廃止されれば、こうした脱法的な販促手法は使えなくなる。
 
【家電や化粧品は減税も】

 新たな税制では少額の買い物は増税となるものの、商品価格が100元を超える化粧品や、250元を超える家電製品などは従来と比べて大幅な減税となる。

(続きは「日本ネット経済新聞」4月7日号で)

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