コンビニ受取、ロッカーが普及/〈16年〉場所・手法拡大はさらに加速へ

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楽天と日本郵便が共同で開始した「はこぽす」

楽天と日本郵便が共同で開始した「はこぽす」

15年は商品の受け取り場所の多様化がいっそう進んだ。通販各社、大手モール、配送会社がコンビニとの提携を進めたことにより、コンビニ受け取りの指定は一般化した。楽天や西友のネットスーパーでは受け取りロッカーの設置場所の拡大も進めている。消費者の商品受け取りニーズの多様化に応えようと、来年も各社は取り組みを強める。

コンビニで当日受け取りも可能に

 商品のコンビニ受け取りが一般化している。楽天は現在、「楽天市場」の出店者が日本郵便で配送する場合はローソンとミニストップで受け取ることができ、ヤマト運輸による配送ではファミリーマート、サークルKサンクスなどで受け取れるようになっている。
 7月にヤマトホールディングス(HD)との連携強化の一環として、ヤマトHDが提携するコンビニでの受け取りも可能となり、商品が受け取れるコンビニ店舗数は約3万店舗に達した。ヤマト運輸の約4000店舗の営業所でも受け取りが可能。営業所ではクール便の受け取りにも対応するため、食品事業者の販売機会が拡大しているようだ。
 アマゾンジャパンは、アマゾンの直販と、物流代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を利用する販売事業者の商品がローソン、ファミリーマート、ミニストップ、ヤマト運輸営業所で受け取れるようにしている。
 15年10月からは、関東・関西・東海・九州地方のファミリーマート約7100店舗を対象に、コンビニでは初となる「当日お急ぎ便」も導入し、コンビニ受け取りでもスピード配送を提供している。
 アマゾンと7年前からコンビニ受け取りで提携しているローソンによると、店頭で商品を受け取る顧客がついで買いをする傾向にあり、コンビニにもメリットがあるという。


「はこぽす」楽天以外の事業者にも

 15年は楽天の受け取りロッカーも注目を集めた。昨年、大阪から試験運用を開始した、駅などで商品が受け取れるロッカー「楽天BOX」は、利用率の高さから今年に入って設置場所を拡大。12月現在で北海道から福岡までに25カ所設置している。
 顧客は注文時、受け取り方法に「楽天BOX」を指定すると、空いているロッカーが表示される。稼働率は現在非公表としているが、「好評な状態が続いている」(広報)とし、今後も随時拡大していく意向だ。
 楽天は日本郵便と共同で、4月から都内の郵便局に受け取りロッカー「はこぽす」を設置した。10月末までの試験運用としていたが、日本郵便は11月以降も継続することを決定。「楽天市場」で販売する商品以外も、日本郵便と契約している通販会社の商品であれば「はこぽす」が利用できるようになった。
 コンビニやロッカーで受け取れる商品はサイズ、重量、商品内容、定期購入品などに制約があるものの、コンタクトレンズやファッションなどを中心に利用が進んでいるようだ。さらに、一度利用した人のリピート利用率も高く、消費者の中で利便性の認知が拡大している。
 ネットスーパーでも店頭受け取りや受け取りロッカーの普及が進んでいる。
 西友とイオンは14~15年にかけて、店頭受け取りを強化。西友は受け取りロッカー「うけとロッカー」の設置を長野県内から開始し、利用状況が好調なため、首都圏で本格展開していく方針だ。

(続きは日本ネット経済新聞 12月24日・31日の合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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