昨年の1.6倍に
中国EC最大手のアリババグループ(アリババ)は、11月11日に同グループが運営するECサイトで実施した「独身の日セール」における取引額が1兆7600億円に達したと発表した。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは1日で、同セールに参加した全業態中4位にあたる115億円を売り上げたという。
中国では「独身の日」と呼ばれる11月11日にECサイトのセールが集中し、1年で最も売り上げが高まる。中国のBtoCモールにおいて6割超のシェアを握るアリババは同セール企画の生みの親であり、特に大きな取引額を記録する。
アリババの咋年の同セールの取引額は約1兆1000億円となり、初めて1兆円を突破した。今年は4万社以上がセールに参加。物流やモバイル販売、海外企業の招致などを強化したことなどもあって、今年の取引額は前年比62・6%増に拡大したという。
キリン堂は4.5億円
BtoCモール「天猫(Tモール)」に出店しているファーストリテイリングはアパレル部門ではトップ、出店全社中でも4位の売り上げを上げた。越境ECモール「天猫国際(Tモールグローバル)」に出店し、高い成果を上げた日本企業も多かった。
ドラッグストアチェーンのキリン堂は「天猫国際」に出店し、1日で約4億5000万円を売り上げた。「天猫国際」に出店している日本企業ではトップの実績だったという。キリン堂は咋年の同セールで約1億8700万円を売り上げた実績を生かし、今年はメーカーとの協力体制を強化。シャンプー「レヴール」の販売においては、ジャパンゲートウェイ(本社東京都、堀井昭一社長)の協力を獲得、15万本以上の販売につなげた。
ミキハウスは2.6億円
15年8月に「天猫国際」に出店した、ミキハウスの子会社は、同セールで約2億6000万円を売り上げた。同月に「天猫国際」に出店したラオックスも大きな売り上げを上げた。「独身の日セールには初参加だったが、大きな手応えを感じた。『天猫国際』内の日本企業では、2位の売り上げだと聞いた」(ラオックス経営企画部)と明かす。
13年7月、「天猫国際」に出店している白鳩は、咋年の同セールでの売上高が約1000万円だったが、「今年は咋年よりも数倍売れた」(社長室)と話す。タイツなどを中心に在庫を豊富に確保し、広告出稿を強化したことが増収につながったという。
アリババグループ/「独身の日」取引額は1.7兆円/「ユニクロ」は全業態4位の115億円に
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