オムニチャネル最前線/小売大手が本格展開を開始/「セブン」「ユニクロ」は今秋から

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大手小売企業のオムニチャネル戦略が本格化している。セブン&アイ・ホールディングス(セブン&アイ)や、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは今秋、オムニチャネル施策を本格的に開始するという。セブン&アイは店舗網を活用することにより、ECサイトの利便性を向上させる。ファーストリテイリングはスマホアプリを投入し、顧客のリアルとネットの購買データを収集する。大手小売企業はネットとリアルの連携の中で、自社の強みを生かしたサービスを展開することにより、顧客獲得を進めたい考えだ。



ネットから店舗に送客
 小売大手企業は各社の特徴を生かしたオムニチャネル施策を開始している。
 セブン&アイ・ホールディングス(セブン&アイ)は13年、オムニチャネル施策を強化する方針を発表していたが、このほどその具体的な内容が明らかになった。
 同社は今年10月、グループ会社の商品を一括して扱う新たなECサイトを立ち上げるという。全国にある店舗網を活用し、店頭受け取りに対応するのはもちろん、返品や返金の店頭受け付けも開始する予定だという。グループ各社の顧客情報も統合し、本格的なオムニチャネル施策を始動させる計画だ。
 多くの大手小売店は全国の店舗網を活用したネットサービスを提供することによって、ネットユーザーをリアル店舗に送客しようとしている。
 カメラやデジタル家電を取り扱うキタムラもネットから店頭への送客に注力している。同社の15年3月期におけるECサイト経由の売上高は262億円だった。ECサイト売上高の54.6%にあたる143億円分の注文において店頭受け取りが選択されているという。
 同社は店頭においてネット会員の勧誘を積極的に実施している。15年3月末時点のネット会員数は前期末比69万人増の680万人にまで拡大。店頭での会員登録を進めた結果、今では会員の約8割が「お気に入り店舗」を登録している。
 「お気に入り店舗」の登録が増えると、ECサイトで商品を購入した際に「店頭受け取り」を利用する確率が高まるという。

(続きは日本ネット経済新聞 9月3日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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